読書工房は、2004年4月23日に設立しましたので、今日で満5年となり、6年目に入ることになります。
5年続けることが一つの目標でしたので、「ほっとしている」というのが正直なところです。 今後は1年1年を大事にしながら、確実に歩いていきたいと思っています。 さて、今日はもう一つうれしいことがありました。 筑波大学附属視覚特別支援学校で、講談社が製作する「大きな文字の青い鳥文庫」20タイトルの寄贈式があり、私も出席させていただきました。 この盲学校図書館への拡大図書寄贈プロジェクトは、いまをさかのぼること6年前、2002年11月に「BBA文庫」として製作された事例が前身です。BBAは、視覚障碍者読書支援協会の略称で、BBAが拡大写本の許諾を得ているタイトルをメインに3セット製作し、筑波盲と名古屋盲人情報文化センターに寄贈されました。 BBAの許諾を受けていたタイトルはどちらかというと大人向けのものが多かったので、必ずしも盲学校図書館の蔵書として向いているものばかりでないという事情もあったためか、BBA文庫自体は残念ながら継続されませんでした。 BBA文庫のオンデマンド印刷を社会貢献として引き受けた富士ゼロックス傘下のドキュメントサービスフォーラム(DSF)はプロジェクトの継続を狙い、「ユニバーサルデザイン文庫」という名称で拡大図書が製作されました。今度は青空文庫で公開されている著作権切れのタイトルを拡大図書化したもので、宮沢賢治や新美南吉など古典的な作品が中心でした。 このプロジェクトに私は直接かかわっていませんでしたが、個人的には、拡大図書に「ユニバーサルデザイン文庫」と名づけられている点がとても気になっていましたので、いつかきちんとした形のプロジェクトをプロデュースする必要があると考えていました。 そして、昨年から電子本フォーマットから拡大図書を組版する技術を開発している講談社さん、ドキュメントサービスフォーラムの主要メンバーで、BBA文庫の時からかかわられているみつわ印刷さんそれぞれと相談をはじめ、今年、「大きな文字の青い鳥文庫」を寄贈するプロジェクトとして結実したものです。 講談社青い鳥文庫の高島編集長が今回のプロジェクトの趣旨に全面的に賛同してくださり、宮部みゆき・あさのあつこといった人気作家の作品や、『若おかみは小学生!』『黒魔女さんが通る!!』といった小学生の間で大人気のシリーズからも選書されていて、やっと学校図書館にふさわしいタイトルが揃えられたのではないかと思います。(それぞれ100万部以上売れているというミリオンセラーだそうです) また、できるかぎり多くの弱視の子どもたちにとって読みやすいレイアウトになるようじゅうぶんな配慮がなされていて、フォントについても、字游工房さんが開発した游ゴシック体という、日本語の本文書体としてひじょうに見やすくきれいなフォントが使われているのが特徴です。 このプロジェクトが単なる寄贈だけにとどまらず、比較的安価な値段で販売されるようになり、また電子本(ドットブック)とともに継続的に発行されていくよう、読書工房も微力ながらお手伝いしていく所存です。
by mejiroh
| 2009-04-23 17:26
| メジローが行く!
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