日本点字図書館の職員向けロービジョン研修会に講師としてお招きいただき、1時間半ほど講演。
私はロービジョンの専門家でもなく、当事者でもないという前置きをしたうえで、書籍編集者として「読書サポート」のあり方を考える立場からお話させていただいた。 高田馬場の日本点字図書館を初めて訪問したのは、私が大学生の頃。 毎年11月に開催される大学祭の社会福祉研究会ブースで、視覚障害に関する企画展示をするため、点字器や点字タイプライター、さわる絵本などをお借りしに行った時だった。 何もよく知らない学生相手にもかかわらず、資料室担当の職員の方にたいへん丁寧に接して頂き、時間をかけて、じっくりいろいろな話しをしていただいた事がいまでも忘れられない。 あの頃感じた図書館全体のアットホームな雰囲気は、その後建物がリニューアルされた今でもまったく変わらないが、おそらくその時の経験が、いま私が関連する仕事に就いているきっかけの一つになっているようにも思う。(講演の冒頭、僭越ながら「じつは私は日点さんに育てていただいた日点チルドレンの一人です」と自己紹介させていただいた) その意味で、およそ30年の歳月を経て、講演に呼んでいただいたというのは、私にとってたいへん光栄なことなのです。 講演の中では、最近の電子書籍に関する動向とロービジョンサービスの可能性を紹介したあと、書籍編集者と図書館員のいくつかの共通点を挙げ、一人ひとりさまざまなニーズをもつ読者のため、あるいは「読書離れ」を防ぐため、なにができるだろうかという問題提起をさせていただいた。 そして、「読みやすさの追究」「わかりやすさの追究」「読書(鑑賞)コミュニティを育てる」という3つのキーワードを提示し、話しを締め括った。 (このテーマについては、『現代の図書館48(1)特集:読書の遠近法』という季刊雑誌の中で、すでに簡単に触れている) 講演終了後、近くの居酒屋で懇親会。蒸し暑い日だったので、キリンの生ビールがとてもおいしく、個人的には納豆オムレツが印象に残りました。
by mejiroh
| 2010-08-20 23:39
| メジローが行く!
|
ファン申請 |
||