伊勢崎賢治氏の『紛争屋の外交論―ニッポンの出口戦略』(NHK出版新書)の中に、「貧困と援助のマッチポンプ」という項目がある。
-- まず外国企業やバイヤーが国を腐敗させる。結果、国家財政が破綻する。広範囲の貧困が生まれる。そこで国家の代わりにサービスを提供しますよと善意の仮面をかぶって国際援助業界が入っていく。同時に外国籍の民間会社がセキュリティまで提供する。 こういうのを「マッチポンプ」(マッチで火をつけておいて、自らポンプで消火すること。つまり自分で起こした困った事態を収拾して利益を得ること)といいます。(p29) -- こうしたマッチポンプの現象は、さまざまな分野に存在していて、それは単に営利企業の仕業だけでなく、むしろNPO・NGO・ボランティア団体といった非営利組織にも根強く巣喰っているように思う。 それがたとえ国際的な活動といった「仮面」を付けていたとしても、決して本質をとらえようとしない「善意」の個人や団体ほど陥りやすいジレンマと言えるのではないだろうか。 私たちは「本物」を見極める目を持ちたい。
by mejiroh
| 2011-03-31 21:39
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