広島大学のシンポジウムに呼ばれ、「出版社も参画する読書のユニバーサルデザイン化」というテーマで話をする機会をいただいた。広島情報シンフォニーという会社の障害者雇用についてのお話(2005年4月現在、社員141名中、38人が障害のある人であるという)もあり、それを受けて、主催者の佐野眞理子先生は、「マッチングというのがキーワードではないか」と、つぎのようにまとめられた。
「世の中には本をたくさん売りたい出版社があり、本を読みたい読者がたくさんいる。だけれども、マッチングがうまくいっていないために読みたいけど読めない読者がいる。その一方で、出版社も思ったように本が売れない。 就職したい人がたくさんいる一方で、すぐれている人材を求めている企業がある。 ところがそれらのマッチングがうまく言っていないがために、お互いが苦労していることが多い。 デマンドとニーズが十分あるにもかかわらず、それをうまく組み合わせていくためのしくみがまだ十分に開発されていないのではないか」 広島大学では、来年度(2006年度)からすべての学部の学生と大学院生を対象に、「アクセシビリティリーダー」という人材育成のカリキュラムを開始するという。これは学生がユニバーサルデザインやアクセシビリティの考え方を包括的に学べるようなカリキュラムを、大学側が用意し、カリキュラム修了者にはさらに認定試験を実施するというものだそうだ。 今回は、自宅から広島大学までおよそ6時間かけて移動するという長旅であったが、このように大学を挙げて、積極的にユニバーサルデザインに取り組もうとされている様子を拝見し、元気をいただくことができたと思う。
by mejiroh
| 2006-03-08 21:40
| メジローが行く!
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