今年最後に行ったレイトショーは、「キンキーブーツ」というイギリス映画。
これこそ教科書的とよびたい秀作である。 教科書的というのはけっして退屈なという意味ではなく、脚本と演出のバランスがよく、観客を元気づけてくれる良い映画という意味である。 父の急死により、ノーサンプトンの伝統的な紳士靴メーカーの社長となった主人公チャーリーだが、じつは会社が倒産寸前であったことがわかり、最初の仕事が従業員のリストラとなる。 しかし、若い女性従業員ローレンの一言で、ニッチな市場に復活の鍵があるのだと思い立ち、なんとドラッグクイーン向けの大きなサイズのブーツを作ることになるという物語である。 (ドラッグクイーンたちは、窮屈な女性用のブーツを無理して履いているため、すぐにダメになってしまうというのだ) 映画全体に気の利いた台詞が多かったが、たとえば、ローレンがチャーリーにいう一言。 「事業を成功させるっていうことは、会社を大きくすることではなくて、だれかの心に何かを残せるっていうことじゃない?」 だれか特定のヒーローが大活躍するのではなく、チームの力による成功物語。 今年の初頭に見た「有頂天ホテル」、秋ごろ見た「フラガール」など、最近こうしたテイストの映画が増えているのは、時代の空気(願望)を反映していると思う。
by mejiroh
| 2006-12-30 23:54
| 今夜もレイトショー
|
ファン申請 |
||