明けましておめでとうございます。
2007年、メジローが主宰している読書工房は3年めを迎えますし、事務局長を務めているNPO法人バリアフリー資料リソースセンター(BRC)も2009年(予定)からのサービス開始に向けての準備をいよいよ本格的に開始できそうな見通しです。 また、出版UD研究会も、3月から定期開催を予定していますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 昨年の暮れ、CSテレビで元国会議員の水島広子氏が「日本では、官と民の役割をめぐる議論に終始していて、公の力による可能性が語られてこなかった」といった趣旨の発言をしていました。 たしかに、郵政や道路公団改革の議論の中ではもっぱら「官から民へ」といった単純なスローガンだけが踊っていたように思います。 読書のユニバーサルデザインというテーマを考えるときも、やはり同じような問題にぶちあたります。 ほとんどの公共図書館は「官」が運営していますが、図書館に所蔵される本を作っている出版社は基本的に「民」です。 そして、それぞれの立場には「かせ」があるため(「官」は予算の問題、「民」は採算の問題)、実際に視覚障害者の読書を支えてきたのは、長い間、点訳ボランティアや音訳ボランティアといった市民のボランタリーな力でした。 今後、視覚障害者だけでなく、さまざまな立場の人たちが自由に読書できる環境をつくっていくためには、これまでのようにボランタリーな労力を「官」によるサービスの補完的な役割にのみ利用するのではなく、もっと合理的なシステムを構築し、(たとえば、官から設備の提供、民からリソースの提供を受けながら)、むしろNPOなど「公」の立場の専門スタッフが主体的に運営していけるような事例を一つでも増やしていくことが必要になってくるでしょう。 BRCが、その一つの小さな実験になればと考えています。
by mejiroh
| 2007-01-01 21:39
| メジローが行く!
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