『佐藤可士和の超整理術』(日本経済新聞出版社)は、そのタイトルからビジネス書と判断されるのか、よく書店で目立つところに平積みになっているのを見かける。
もちろん佐藤可士和さんは、多方面で活躍中のアートディレクターで、一見「整理術」とは無縁のようにも思える。 たしかに本の中にも実用書にありがちな「整理法」についての記述があり、実際、佐藤さんのオフィスやパソコンの中はたいへん整理されていることが紹介されている。 しかし、この本の要になっているのは、じつは、「仕事をどう整理して考えるか」にあり、整理整頓がとても苦手な私にとって、具体的な整理法の方は到底まねできそうにないが、「仕事をどう整理して考えるか」については大きな示唆を得ることができた。 著者の佐藤氏は、アートディレクターの仕事を「ドクター」にたとえ、クライアントを「患者」にたとえるのだが、クライアントから話を聞き出し、クライアント自身が気づいていない「本質」を見抜き、整理して提示することであるという。 これは、編集者と著者の関係にもそのままあてはまるものだと思う。 この本を読んで、もっとさまざまな問題を抱えてしまっている人から(地方出張の展示会などの場になることが多く、どうしても限られた時間になってしまうが、たとえ短時間であっても)直接お話を伺う中で、問題点を整理していき、「本質」をつかみながら、自分の仕事(ライフワーク)がつくっていけるようにしていきたいと思った。 また、そのような「本質」をつかむ力をもっている人といっしょに仕事ができる機会を増やしていけるといいなあ。
by mejiroh
| 2007-11-01 10:41
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