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東日本大震災以降、さまざまな立場の人がいわゆる「懺悔」を口にしている。
ある著名な建築家は「自分はこれまでいったい何をしてきたのか」と自問し、ありったけの反省を述べた末に、新たな仮設住宅のデザインを発表したりしているのを見ると、やはり「懲りない」感じが否めないのは私だけだろうか。 正直なことをいえば、本書『3.11後の建築と社会デザイン』三浦 展・藤村龍至編著(平凡社新書)についても、最初はあまり期待しなかったのだが、いきなり冒頭から「住宅のあり方を問う」というテーマで、日本政府が高度経済成長期以降、一貫して推進してきた「持ち家誘導政策」の問題点を指摘しているのを読み、この本にはたいへん刺激的なテーマがたくさん含まれていることがすぐにわかった。 いまではある程度社会通念とさえなっている「一住宅=一家族」を前提とする供給システムはほんとうに正しかったのか。大きな災害を経験した私たちにとって、今後も有効なシステムなのか。 これまで建築家のプライオリティとして、ひたすらセキュリティの高い、周りの人と極力接しなくてもよい住宅ばかりデザインしてきたという反省が語られ、これからはもっと地域コミュニティや、仮住まいを意識したものを作っていかなくてはという明らかなテーマ設定がなされていて、ひじょうに共感できる内容になっていることがわかった。 この本は、昨年7月に開催されたシンポジウムを再編集して作られた本である。コミュニティデザイナーの山崎亮さんや、福祉社会学の広井良典さん(千葉大学教授)など、注目すべきスピーカーがたくさん登場している。 私は長年出版UDをテーマに活動を続けている立場であるが、こんなシンポジウムがいつか企画できたらなと、あらためて考えさせられた(勇気を与えられた)1冊である。 < 前のページ次のページ >
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