今年の4月から、専修大学文学部で半年間、週1回だけ兼任講師をやってます。
「情報メディア研究特殊講義Ⅲ」というコマで、出版ユニバーサルデザインの話を13回にわたって取り上げます。 大学から「シラバスを提出してください」というメールがあり、初めて「シラバス」なるものを作ってみました。 ●授業の目的・狙い 読者の「活字離れ」から来る出版不況と言われて久しい出版界ですが、出版システムのあり方をいま一度、多角的な視点からとらえなおすべき時に来ていると思います。 たとえば、ある立場の読者にとって「読みやすい書籍が出版されているのだろうか」あるいは「わかりやすい書籍が出版されているのだろうか」ということを考えていくと、じつは読者が本を読まなくなったので本が売れなくなっているのではなく、読者のニーズにあった形で本が提供されていないことも、要因の一つなのではないかという仮説も成り立ちます。 この授業では、出版社というメーカーが制作し販売している「書籍」というメディアにはどのようなバリアが潜んでいるのか。また、ユーザーである読者は、それぞれの立場からどのようなニーズをもっているのか。 そして、出版・デザイン・印刷・図書館サービスなどに携わる人たちにとって、多様な読者のニーズにどのように応えていくことができるのかをいっしょに考えてみたいと思います。 ●授業の内容(予定) 1.さまざまな読者のニーズを知る (1)見えない・見えにくい読者 (2)読み書きに困難のある読者 (3)色の見え方が少数派にあたる読者 (4)日本手話を第一言語としている読者 (5)わかりやすさを求めている読者 (6)医療情報を求めている読者 2.五感を生かす多様なメディア (1)オーディオブック (2)映像の字幕、音声ガイド (3)点字本・触図 (4)LLブック (5)大活字本・拡大読書器 (6)電子本 3.読者の選択肢を増やすシステムづくり (1)教科書のバリアフリー (2)著作権とフェアユース (3)ウェブ書店のアクセシビリティ (4)デジタルアーカイブのアクセシビリティ (5)ワンソース・マルチユース すでに4回の授業を終えましたが、なにしろ出版UDの分野はまだまだ試行錯誤の連続です。 現在進行形で調査中・模索中のものが多いので、毎回「ナマモノ」を大学に持ち込んでいる感じがします。 新米講師なので、いろいろな事がまだ板についていないのですが、たとえばこんな失敗がありました。 大学の教務課からいただいた資料に「4月29日(昭和の日)は授業を実施」と書いてあって、祝日まで授業をやるとは、大学ってずいぶんと真面目なところだなと思いながら、翌日(4月30日)、直前まで資料の準備をし、回覧用資料をたっぷり抱え、会社から約1時間かけて生田キャンパス(川崎市多摩区)へ。 ところが、いつもは学生で賑わっているはずの広いキャンパスはもぬけの殻。 あわてて資料を見直してみたら、別なページに「4月30日は29日の振替休日とする」の一文が・・・。
by mejiroh
| 2009-05-14 21:26
| メジローが行く!
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