中央公園と香川県庁の間にある香川県社会福祉総合センターで「目の見えない方・見えにくい方のための用具展」。
広いスペースを用意いただいたので、ゆったりと本を並べることができた。視覚障害当事者の方が多く、「見えない方」の比率が高いため、参考出展していた筑波技術大学制作のマルチモーダル図書『天文学入門』(非売品)の点図をさわっていかれる方が多く、好評だった。 この本の著者である京都大学の嶺重慎教授は、以前、NHKラジオの「聞いて聞かせて―ブラインド・ロービジョンネット」という視覚障害関連の番組に出演されていて、その番組を聞いていた方がとても多かった。 主催スタッフの方々の気遣いが行き届いていて、とても良い展示会であったと思う。 ただ、(今回のということではなく)この種の展示会に出展していて、いつも感じることがあるので、参考のために、2点だけ記しておきたい。 一つめは、やはり「コンシェルジェ」のような人がいると良いということ。 だいたい出展業者ごとにブースができ、参加者は自由にそこを行き来するわけだが、視覚に障害のある人が多いので、なかなか目的の場にたどりつきにくいということと、大半の方がそれぞれの説明を順番に聞いて終わってしまうので、かなり積極的に問いかけない限り、本当に求めている情報に行きつきにくい面がある。 このような展示会では、ガイドボランティアの方が配置されていることが多いのだが、それよりも一歩進めて、まず、来場者にどのような情報を必要としているのかを伺ってから、目的のブースを案内してもよいように思う。 (そのためには、スタッフの事前研修が多少必要となる) 二つめは、個別の商品説明をメインにするよりも、支援技術や情報機器などについて体系的に体験できるような方式も考えられるのではないかということ。 たとえば、読書工房では「読書サポート」に関する書籍をいくつか発行しているが、いわばそうした中身を立体的に紹介するようなイベント(講習会?)を企画することもできる。 この場合には、展示内容を企業に委ねてしまうのではなく、あくまで主催者側が企画をたてて、必要な機材などを関連企業から借りたり、日頃からコーディネーターを養成しておくことも必要であろう。 このコーディネーター養成については、今年度からBRC(バリアフリー資料リソースセンター)を中心に、少しずつ動いていきたいと思っている。 展示会は16時に終了。急いでリムジンバスに乗って、高松空港17:40発の飛行機に乗る予定が、バスのドアが故障するトラブルでなかなか出発できず、少しだけあせったが、ぎりぎり間に合った。
by mejiroh
| 2010-08-01 23:54
| メジローが行く!
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