川崎市盲人図書館主催の視覚障害者機器展に出展。
読書工房としては初めての記録を作る。 段ボール箱4箱分送ったのだが、1日かけて売れたのはなんと『視覚障害者サービスマニュアル』1冊だったのだ。(しかもその1冊は出展業者の方に買っていただいたもの) そして前から欲しかった同価格の本を、別な出展業者から購入したため、差し引きはゼロ。 もちろん、交通費、宅配便代がかかっているので、実のところ赤字ということになるのだが、じつはこのような展示会に出展することには、それを補ってもあまりある収穫があり、たいへん有意義な1日であったと思っている。 誰も読んでいないだろうと思っていたこの「メジロー日記」を読んでいただいている方にお目にかかることができたり、中途で視覚障害になられた方にパソコンの操作法を教えていらっしゃるボランティアの方々から、教材や指導の方法にたいへん苦労されていることを伺った。 パソコンは、使い方によっては、情報のユニバーサルデザインを実現するための道具となりうるものだが、比較的歴史が浅いせいもあるのか、ノウハウがうまく蓄積されておらず、指導者間のネットワークもまだまだ不足しているようだ。 メジローは、個人的な見解として、公共図書館が地域のNPOなどと連携しながら、市民が「情報リテラシー」を日常的に学習できる機会を積極的に設けていく必要があると考えている。これは、図書館の情報がどんどんIT化している流れと並行して、保障すべきことである。 そして、そのコアとなる情報リテラシーの学習プログラムについては、どこかで専門的に研究し、情報公開していくべきであると思う。 この日来場されていた視覚障害のある年輩の方のことが印象に残っている。 その女性は、長年カセットテープで録音図書を楽しんできたが、カセットテープによる制作が中止されるというニュースを聞いたという。 その時の情報では、デイジーという名前のCD型の録音図書に変更されるという話しだったが、別なところから、たいへん小型の機械が発売されたというニュースを聞く。 「その小型の機械にどうやってCDを入れて聞くんだろう?」と不安になり、ヘルパーの方と一緒に展示会に来られたのだそうだ。 一応、私なりの説明をさせていただいたが、デジタル技術の進化にともなうユーザーへのわかりやすい情報提供がまだまだ不足しているかもしれないと考えさせられた。 (メーカーによる「宣伝」は、テレビなどマスメディアを通して入りやすいが、ユーザーの側にたった「広報」をどの程度浸透させることができるかは、私たちメディアや、図書館など公共機関に携わる者が本気で考えていく必要がある)
by mejiroh
| 2007-03-04 15:53
| メジローが行く!
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